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いいっ!ブログ。 | ::「まだ、子どもだね」
看護学科に入学してしばらくは、社会学や倫理学、英語、ドイツ語のような一般教養科目や、栄養学や生化学、生理学、解剖学といった基礎的な専門科目の授業がほとんどでした。ですから、今ひとつ看護学科に入学したのだという実感がありませんでした。

そのような中ではじめて看護の勉強をしているんだな、と実感したのが看護技術の時間でした。看護技術は講義と実習があり、まず講義から始まりました。

初めての看護技術の講義の日、担当の助教授(今だったら准教授というのでしょうか)の先生が、看護学科全員の顔を見渡して「あなたたちは、まだ子どもだね」と言いました。「三年生を見てごらん。しっかりした大人の顔してるでしょう」と続けて言われました。

そのときの気持ちを何と言えばよいのでしょうか。皆は「ひえーーっ」という表情をしていたんじゃないかと思います。私は、ぱんっと顔を叩かれたような気分でした。実際に、臨床実習をしている三年生と入学したての一年生は、表情が全く違っていたのだと思います。私は白いリボンを頭につけていたので、その先生に「そこの白いリボンを付けた、お嬢ちゃん」などと言われたこともありました。本当に幼く見えたのだと思います。

この看護技術の授業で言われた言葉は今でも覚えています。「現象だけを見て判断しない。現象を真実レベルまで高めること。そうでないと適切な看護はできない」「技術とは、科学的根拠に基づいた技能である。つまり看護技術は科学的根拠に基づいて行われなければならない」

あとは「バタバタ看護師にならないでね」「看護師は美的感覚を持たなければダメ」などと、言われたこともありました。

その頃は「そうなのかあ」と実感が持てないでいたのですが、就職してから先生の言葉をふっと思い出すことがありました。処置のときに、「あ、あれを忘れた」とバタバタと落ち着きのないことをしては、「あー、今、バタバタ看護師になってるなあ」と思ったり、シーツ交換をするときに「美的感覚、美的感覚」と頭の中で唱えたりしていました。

でも、一番心の中に残っているのは「まだ、子どもだね」という言葉ですね。初心忘するべからずなんて言葉より、よっぽどインパクトがありました。今でも、その言葉を言われたときのことを思い出すと、上手く言えないのですが神妙というか謙虚な気持ちになります。


(執筆者|元民間病院の看護師)


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